海外FXは高いレバレッジや豪華なボーナスキャンペーンなど、国内FX業者に比べて効率的な取引が可能です。
しかし、海外FXを利用した場合に税金はどうなるのでしょうか。実際に税金のことが気になってしまい、海外FX業者の利用になかなか踏み出せない方も多いです。
そこで本記事では国税庁のFXの課税関係を参考にしながら、日本人で海外FX業者を利用している方向けに海外FXの税金について詳しく解説します!
海外FXでどれくらいの税金が発生するのか知りたい方へ


Vantage Mediaでは「海外FXでどのくらいの税金を払うのか知りたい」という方向けに、海外FXの税金計算シミュレーションツールをリリースしました!
海外FXの利益や経費・会社員としての給与額を入力することで、大まかな税額の目安を知ることができます。
さらに節税にベストなふるさと納税の目安額も知れるので、ぜひ税金計算ツールを利用してみてください!
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海外FXの税金・確定申告の対象者【サラリーマン向け】


海外FXで税金を支払う必要のある対象者について、特にサラリーマン(会社員)の方向けに解説します。
それぞれ順番に見ていきましょう!
利益が一定額を超えたら確定申告をして税金を払う
まず前提として、海外FXでの取引で一定額の利益が出た場合には確定申告をして税金を支払う必要があります。
確定申告とは、翌年2月16日から3月15日までに前年の収入等を税務署に申告する作業のことです。
もし利益が出ているのに確定申告せず税金も払わない場合には、脱税として追徴税や罰金などの重いペナルティーを受ける可能性もあるので注意が必要です。
海外FXで税金を払う必要のあるサラリーマン
- 給与所得と退職所得以外の所得が年間で20万円を超えている人。
- 給与収入が年間2,000万円超えている人。
- 給与を2ヵ所以上から受け取っている人。
サラリーマン(会社員)の方の場合、上記のいずれかに該当する場合には確定申告をする必要があります。
ここで言えることは、海外FXで年間20万円超える利益があるサラリーマンは「給与所得と退職所得以外の所得が年間で20万円を超えている人」のケースに該当するため、確定申告を行う必要があるということです。
自営業者や専業主婦の方の場合には、収入がある場合は原則として確定申告が必要と言えます。しかし、年間で48万円を超えた所得がない場合には確定申告を行う必要がありません。
海外FXと国内FXの課税方法の違い


もともと国内FX業者を利用していて、海外FX業者に乗り換えたという人は多いです。では、海外FXと国内FXで適用される税制度に違いはあるのでしょうか?
結論、海外FXと国内FXの課税方法には次の3つの違いがあります。
それぞれ順番に解説します!
海外FXと国内FXの課税区分の違い
まず1つ目は「課税区分」の違いです。
海外FXには総合課税の仕組みが適用される一方で、国内FXには申告分離課税の仕組みが適用されます。
- 総合課税とは?
-
総合課税とは、給与所得など他の所得と合算し、その合算した金額に対して税金が課される仕組みのこと。
- 申告分離課税とは?
-
申告分離課税とは、FXなどの所得を他の所得とは分けて税金を計算する仕組みのこと。
総合課税と申告分離課税には、上記のような課税区分の違いがあります。
海外FXと国内FXの税率の違い
所得の金額 | 所得税率 | 住民税率 | 合計の税率 |
---|---|---|---|
195万円以下 | 5% | 10% | 15% |
195~330万円以下 | 10% | 10% | 20% |
330~695万円以下 | 20% | 10% | 30% |
695~900万円以下 | 23% | 10% | 33% |
900~1,800万円以下 | 33% | 10% | 43% |
1,800~4,000万円以下 | 40% | 10% | 50% |
4,000万円以上 | 45% | 10% | 55% |
続いて、2つ目は「税率」の違いです。
海外FXは総合課税であり、超過累進税率(累進課税制度)が適用されます。超過累進税率(累進課税制度)とは、所得が多くなればなるほど課税される税率が高くなっていく仕組みです。
上の表のように、所得税では所得に応じて5%から45%まで7段階の税率のいずれかが適用されます。また、住民税も一律10%が適用されるため、海外FXを利用した場合の最大税率は55%です。
一方で国内FXは、所得にかかわらず20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%、※復興特別所得税は2037年12月31日まで)の税率が適用されます。
以上から、海外FXの場合は所得金額が330万円を超えると住民税を含めた税率が23%となるため、国内FXを利用したときの20.315%を超えることがわかりますね!
海外FXと国内FXの損益通算の違い
続いて、3つ目は「損益通算」の違いです。
損益通算とは、損失と利益を足し引きした上で税金を計算する仕組みです。海外FX、国内FXともに雑所得となることから、FXの損失は給与所得など他の所得との損益通算はできません。
また、国内FXと海外FXの損益通算もできません。仮に国内FXで100万円の損失が発生し、海外FXで100万円の利益が発生した場合には、100万円の損失部分は非課税となるものの、100万円の利益分には課税されます。
なお、同じ取引同士の場合には損益通算が可能です。例えば海外FX口座を2つ持っており、片方で100万円の損失、もう片方で100万円の利益が出た場合、損益通算により0円となり課税されません。
この他、海外FXでは同じ所得扱いとなる仮想通貨の損益と損益通算が可能です。国内FXでは、国内FX同士の損益通算はもちろんのこと、先物取引やオプション取引の損益と通算が可能です。また、国内FXに関しては損失が発生した場合、3年間繰越しができますが、海外FXではできません。
【まとめ】海外FXと国内FXの課税方法の違い
FX業者 | 海外FX | 国内FX |
---|---|---|
所得区分 | 雑所得 | 雑所得 |
課税区分 | 総合課税 | 申告分離課税 |
税率 | 所得税5%~45%・住民税10% | 所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5% |
損益通算 | 海外FX同士や仮想通貨の損益などと通算可能 | 国内FX同士や先物・オプション取引による損益などと通算可能 |
損失繰越 | できない | 3年間可能 |
海外FXと国内FXの課税方法の違いをまとめたのが上の表になります。
海外FXと国内FXでは、税金に対するそもそもの考え方が異なることを頭に入れておきましょう!
海外FXの税金の対象となるタイミング


海外FXの税金の対象となるタイミングについて解説します。
それぞれ順番に見ていきましょう!
税金は損益が確定したタイミングで対象となる
確定申告において海外FXが課税対象となるのは、年内に決済をして損益が確定した金額です。
ポジションを持ったまま年を越した場合には損益が確定されていないため、この段階では課税対象とはなりません。
なお、1月1日から12月31日までの1年間において、どれだけ決済し利益が出たかにより課税対象となる「所得」が判明します。所得とは、売上(=海外FXの利益)から必要経費を差し異引いた金額のことです。
つまり、海外FXの利益から海外FXの損失を差し引き、海外FXに関連する必要経費があればそれらを差し引いた上で税金の対象となる「所得」が計算されるということです。
キャッシュバックも税金の対象となる
注意点として、売買・トレードによる収益のほかに海外FXのキャッシュバックについても課税対象となります。
キャッシュバックとは、海外FXの取引を行う際にキャッシュバックサイト等を通して取引をした際にスプレッドの一部が還元されるものです。また、海外FX業者が独自に行っているキャッシュバックもあります。
実際に現金として出金できるキャッシュバックについては、これも売上として計上する必要があるためご注意ください。
海外FXの税金計算と必要経費


海外FXの税金計算と必要経費となるものについて紹介します。
それぞれ順番に見ていきましょう!
課税対象となる所得の計算方法
課税対象額 = 売上 (利益) – 経費
海外FXで大きく利益を出した場合、当然ながら課税されます。一方で、その利益額から海外FXで取引をするためにかかった必要経費を差し引くことができます。
つまり、利益すべてに課税されるわけではなく、必要経費を差し引いた上で課税対象額が決まるということです。
税金計算で必要経費となるもの
- FXの自動売買ソフト(EA)の購入代金
- FX取引を行うために学習した参考書籍・雑誌代
- FXに関連するセミナー代金
- セミナーに参加するための交通費 など
それでは、海外FXにおいて必要経費となるものにはどのようなものがあるのでしょうか?
例えば、トレーダーの皆さんがよく利用するものとしてFXの自動売買ソフト(EA)が挙げられます。自動売買ソフトの購入費用は、必要経費に算入できます。
この他、FX取引を行うために学習した参考書籍や雑誌代なども必要経費として算入できます。FXに関連するセミナー代金やセミナーに参加するための交通費なども必要経費となるでしょう。
こうした必要経費は明細が分かるように領収書などを保存し、確定申告で利用できるようにしておきましょう。
なお、あくまでもFX取引に必要なものが必要経費に算入できます。FX取引に関係のないものは経費には算入できないのでご注意ください!
海外FXの確定申告で必要な年間取引報告書のダウンロード方法


海外FXの確定申告で必要な取引報告書の入手方法について解説します。
年間取引報告書をダウンロードすることで、確定申告時に必要な海外FXの損益額を一目で確認することができます。
それぞれ順番に見ていきましょう!
MT4で取引報告書をダウンロードする手順
まずは、ご自身が実際に使っている海外FX業者のMT4(MetaTrader 4)を開きましょう。


MT4を開いたら、一番下にあるメニューで「口座履歴」タブをクリックします。すると、上の写真のようなポップアップが表示されるので「期間のカスタム設定」をクリックします。


続いて、取引報告書の期間を設定します。
「開始」は1月1日に、「終了」は12月31に設定しましょう。
期間を設定すると、口座履歴に取引履歴が表示されます。
再度右クリックして、メニューの中から「レポートの保存」を選択しましょう。以上で年間取引報告書をダウンロードできますよ!
MT4で取引報告書ダウンロードする流れは以上になります。
MT5で取引報告書をダウンロードする手順
まずは、ご自身が実際に使っている海外FX業者のMT5(MetaTrader 5)を開きましょう。


MT5を開いたら、一番下にあるメニューで「口座履歴」タブをクリックします。すると、上の写真のようなポップアップが表示されるので「期間指定」をクリックします。


続いて、取引報告書の期間を設定します。
「始点」は1月1日に、「終点」は12月31に設定してOKをクリックしましょう。


期間を設定すると、口座履歴に取引履歴が表示されます。
再度右クリックして、メニューの中から「レポート」➝「Opne XML」を選択しましょう。
以上で年間取引報告書を、XMLファイル形式でダウンロードすることができますよ!
MT5で取引報告書ダウンロードする流れは以上になります。
海外FXの確定申告のやり方


海外FXの確定申告のやり方について具体的に解説します。
それぞれ順番に見ていきましょう!
確定申告の期間
確定申告は1月1日から12月31日までの損益を、翌年2月16日から3月15日までに申告する必要があります。
この期限を過ぎると脱税として追徴課税が発生する恐れがあります。期限までに申告と納付を必ず行うようにしましょう!
白色申告と青色申告
確定申告では、白色申告と青色申告から選択します。
白色申告は会計知識のない方でも比較的容易に帳簿が作成でき、手続きも容易です。しかし、青色申告に認められる控除などの特典がありません。
一方、青色申告では損益計算書といった決算書類が必要であり、要件を満たせば青色申告特別控除65万円の適用が認められます。
節税という視点からは青色申告の方が有利です。海外FXである程度まとまった収益がある方は、青色申告に挑戦してみることをおすすめしますよ!
確定申告の必要書類
- 年間の収支がわかる書類
- 本人確認書類
- マイナンバーが確認できる書類
- 源泉徴収票(会社員の方)
- 印鑑等
確定申告を行う上で必要となる書類は上記の通りです。
これらの書類をもとに、確定申告書に必要事項を記入していきます。
確定申告のやり方
ご自身で確定申告を行う場合にはマネーフォワードやfreee(フリー)などの確定申告ソフトを使うか、国税庁のホームページにある確定申告書作成コーナーにて必要事項を入力します。そして、結果をご自身のお住まいの地域にある税務署に結果を提出します。
または、税務署や確定申告の特設会場に出向いてそこで確定申告書を作成、印刷し提出する方法もあります。e-Tax(イータックス)を利用する場合には、ご自身のパソコンをもとに必要事項を入力しオンラインで提出します。
なお、海外FXは雑所得に分類されます。雑所得部分に収支を記入していきます。不安な方やご自身での作成が面倒と感じる方は、税理士に作成を依頼する方が無難と言えます。
確定申告を行うと、実際に納税すべき金額が判明します。納税は銀行口座引き落とし、インターネットバンキングで納付、クレジットカードによる納付、コンビニエンスストアで納付、金融機関や税務署の窓口で現金で納付するといった方法があります。ご自身にとって都合が良い方法を選択しましょう!
海外FXの税金に関する注意点


海外FXの税金に関する注意点を3つ解説します。
それぞれ順番に見ていきましょう!


海外FXの税金に抜け道はない
まず1つ目の注意点は「海外FXの税金に抜け道はない」ことです。
海外FXでは、稼げば稼ぐほど適用される税率が高くなっていきます。税金が高いので「抜け道はないのか?」と思う方もいるかも知れませんが、結論としては海外FXの税金に抜け道はありません。
- 銀行送金やカード決済の記録はすべて残っている。
- 国内銀行から税務署に「国外送金等調書」が提出される。
- 国税庁は「CRS」と呼ばれる租税回避制度によって国際送金の情報を取得することができる。
上記のような理由から、確定申告をしないで税金を支払わなかったとしても税務署に確実にばれ、最悪の場合は脱税として多額の追徴課税を支払わなければならなくなります。
海外FXの税金を安くしたい場合は、最大税率が33%程度となる海外FXの法人口座の利用や、シンガポールやドバイ(アラブ首長国連邦)などのキャピタルゲイン非課税国に移住するなどの対策を検討しましょう。


海外FXの税金が会社にバレることはない【対策あり】
続いて、2つ目の注意点は「海外FXの税金が会社にバレることはない」です。
人によっては「副業禁止」という会社で働いている方もいるでしょう。そういった方が海外FXで取引して利益が出た場合は、確定申告にて住民税の納付方法で「普通徴収」を選択して自分で納税すれば会社にバレることはありません。
ただし、ご自身で納税するための手間がかかることと、手元に納税資金を残しておかないといけないことは覚えておきましょう。
海外FXのボーナスは税金計算の対象にならない
続いて、3つ目の注意点は「海外FXのボーナスは税金計算の対象にならない」ことです。
海外FXでは、口座開設したり入金したりするとボーナスを受け取ることができます。このボーナスを使うと、証拠金としてリアルマネーのように利用することができます。
一方で、海外FXのボーナスは税金計算の対象にはなりません。なぜなら、ボーナスは出金することができないため、現金としての価値を持たないからです。
確定申告などで税金額を計算する際は、ボーナス額を含めないように注意しましょう!
なお、海外FXのボーナスについては海外FXの口座開設ボーナスおすすめ比較で詳しく解説しているので参考にしてみてください。


海外FXの税金に関するよくある質問と回答
【まとめ】海外FXの税金・確定申告のやり方
海外FXの税金と確定申告について解説してきました。
国内FXと両方の取引を行う場合には、課税の仕組みの違いを理解したうえで取引を行ってください。
また、海外FXのみで取引を行う場合にはその課税の仕組みを理解し、必ず毎年の確定申告を進めるようにしてくださいね!
本記事は以上になります。
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