原油は現代社会において不可欠なコモディティであり、石油、プラスチック、その他重要な化合物や化学製品の原材料となります。
世界の経済システムにおいて重要な役割を果たす原油は、単なる商品として取引されるだけでなく、その取引価格は世界中の市場と経済を導くベンチマークとしても用いられています。
世界の主要な原油ベンチマークには、ブレント原油とWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)の2つがあり、それぞれ異なる地理的地域で産出される原油の価格に基づいており、物理的な特性もわずかに異なります。
この記事では、ブレント原油取引、価格に影響を与える要因、そしてトレーダーが利用できるさまざまなブレント原油関連の金融商品について解説します。
キーポイント
- 北海油田から産出されるブレント原油は、その軽質で硫黄分の少ない特性から精製が容易であり、国際市場で高く評価されているため、原油価格の主要なグローバル指標となっています。
- ブレント原油の価格は、世界のエネルギー価格に大きな影響を与え、世界で取引される現物原油の約80%の指標となるなど、経済および市場の動向において極めて重要な役割を果たしています。
- ブレント原油の取引は、主要な取引所における先物やオプションを通じて行われ、価格変動に対するヘッジや投機の機会を提供しており、世界のコモディティ市場における中心的な役割を反映しています。
ブレント原油とは?
ブレント原油は、ヨーロッパに近い北海で産出される原油のことであり、具体的には、ブレント油田、エコフィスク油田、フォーティーズ油田、オーセベルグ油田といった複数の油田から採取されます。
原油が世界経済を支える上で不可欠な天然資源であることは、すでに広く知られています。しかし、なぜブレント原油はこれほど重要視され、世界の市場における指標と見なされるようになったのでしょうか?
その理由は、ブレント原油が比較的容易に石油に蒸留され、石油製品に精製できる点にあります。この精製によって、ブレント原油の価値の大部分が生み出されます。
ブレント原油は「軽質」で「スイート」に分類されます。これは、密度が低く、硫黄含有量が0.5%未満であることを意味します。これらの特性により、ブレント原油は、そうでない原油と比較して精製しやすいとされています [1]。
ブレント原油の価格は、世界の石油市場における重要な指標であり、その変動は世界中のエネルギー価格に大きな影響を与える可能性があります。
ブレント原油価格は、金融市場や商品市場で頻繁に参照され、多くの産油国の輸出価格の基準となっています。2024年4月時点では、世界で取引される現物原油の約78%が、直接的または間接的にブレント原油を指標として価格決定されています [2]。
ブレント原油の歴史 [3]
1800年代半ば以降、北海地域では陸上で石油と天然ガスの埋蔵が初めて発見されましたが、沖合の埋蔵が発見されるのは、1964年の国連大陸棚条約が採択されてからのことでした。
この条約がきっかけとなり、深海探査が始まり、1969年にはフィリップス石油がノルウェー海域のエコフィスク油田として後に知られる場所で試掘に成功しました。
これは北海における初の沖合油田の発見であり、ブレント原油の歴史の始まりとなりました。エコフィスク油田の発見に続き、1971年にはブレント油田、そしてニニアン油田やオーセベルグ油田など、いくつかの油田が相次いで発見されました。
時が経つにつれて、同様の特性を持ついくつかの北海原油が「ブレント混合油(ブレント・ブレンド)」という用語でまとめられました。これにより、価格決定と取引のための標準化された指標が確立されました。
前述のように、ブレント原油は軽質で硫黄分が少ないという有利な特性を持つため、原油の品質に関する魅力的な基準点となりました。
ブレント原油はすぐに、特にヨーロッパとアジア市場において、原油価格のグローバルな指標としての地位を確立し、1980年代から1990年代にかけて、世界の石油市場の形成に重要な役割を果たしました。トレーダー、アナリスト、政策立案者にとって重要な指標となり、投資決定や経済予測に影響を与えました。
2000年代のブレント原油は、世界経済の成長、特に中国などの新興国の需要増加を背景に、2008年の金融危機直前には1バレルあたり140ドルを超える高値を記録しました。しかし、金融危機の影響で急落した後、再び回復基調となり、2010年代初頭にかけて高水準で推移しました。この時期には、地政学的なリスクやOPECの政策なども価格変動に影響を与えました。
ブレント原油の取引とは? [4]
1973年と1979年のオイルショックでは、原油価格が劇的に高騰しました。このような事態が経済に与える影響を抑えるため、現在では原油の大部分が先物市場で取引されています。
ブレント原油の取引は、ヨーロッパのインターコンチネンタル取引所(ICE)やニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されているブレント原油先物契約を通じて行うことができます。また、北海ブレント原油に連動したオプション契約も存在します。
ブレント原油を取引する投資家の主な目的は、価格変動リスクをヘッジすることです。例としては、製油所や石油化学製品サプライヤーなど、原油サプライチェーンに関わる企業が挙げられ、航空会社のように燃料への依存度が高いセクターも、価格変動に対するヘッジとしてブレント原油先物を取引することがあります。
さらに、ブレント原油の取引は、利益獲得を目的とした投機的な取引としても行われています。
ブレント原油取引のメリット[5]
ブレント原油は主要なエネルギー商品であり、その取引にはいくつかのメリットがあります。
分散投資
コモディティ商品であるブレント原油は、株式市場との相関性が低い、あるいはほとんどないため、企業の株式に偏ったポートフォリオのリスク分散に役立ちます。原油価格の上昇後に景気後退が起こるという見解は一般的ですが、原油価格が経済に強い影響を与えるという明確な証拠は多くありません。
インフレヘッジ
原油は通貨に左右されない固有の価値を持つため、インフレに対して強い耐性があります。インフレによって通貨の価値が下落した場合でも、原油はその価値を維持する可能性があり、投資家にとってインフレに対する有効なヘッジ手段となります。
市場低迷時の安全資産
ブレント原油は、市場の混乱や景気後退といった局面で安全資産としての役割を果たす可能性があります。需要水準の影響を受ける可能性はあるものの、基本的には代替不可能な資源であるため、その価値は維持されます。
投機的利益の可能性
1970年代のオイルショックに見られたように、原油価格は大きく変動する可能性があります。これは、投資家が大きな価格変動を利用して投機的な取引を行い、潜在的な利益を得る機会を生み出します。戦略によっては、原油取引はハイリスクとなる可能性もありますが、高いリターンが期待できる場合もあります。
ヴァンテージでリアル口座を開設し、原油のCFD取引をすることで、ブレント原油の価格変動を利用した取引が可能になります。CFD取引では、市場の上昇・下降局面のどちらからでも、取引を開始することができます。
ブレント原油市場の歴史的推移
出典:Statista(https://www.statista.com/statistics/262860/uk-brent-crude-oil-price-changes-since-1976/)
上の図は、1976年から2023年までのブレント原油の平均価格を米ドル/バレルで示しています。
ブレント原油価格は、原油市場のおよそ8割が指標とするグローバルな基準であるにもかかわらず、非常に変動しやすいことがわかります[6]。
ここでは、価格変動が大きかった時期を詳しく見て、その背景にある要因を解説します。
2004年から2008年 [7]
2004年から2008年にかけて、ブレント原油価格は急激に上昇し、過去最高値を更新して一時1バレルあたり100米ドル近くに達しました。しかし、この上昇傾向は2008年後半に一転し、急速に下落しました。
価格が急騰した主な要因は、需要と供給のバランスが崩れたことであり、世界的な需要の増加に対し、石油生産国がその需要の伸びに十分に対応できなかったことにあります。
石油生産国が需要に対応しきれなかった背景には、原油の採掘、生産、貯蔵、輸送といったプロセスの複雑な性質があります。石油生産能力を増強するには、インフラと設備投資に多額の資金が必要であり、施設の建設から稼働開始までには相当な時間を要します。さらに、労働者のストライキ、武装勢力による攻撃、油田の枯渇、訴訟問題、そしてイラク戦争の影響など、さまざまな出来事が供給の混乱を招き、供給不足に拍車をかけました。
数年にわたるブレント原油の価格上昇は、アメリカの住宅市場の崩壊とそれに続く世界的な景気後退(リーマン・ショック)が引き金となって、2008年半ばに一転し、それ以降は下降傾向を辿りました。
需要が急速に縮小した結果、ブレント原油価格は2009年までに40%近くまで下落しました。
2014年から2016年 [8]
2008年の世界的な不況後、原油価格は回復し、2011年と2012年には年間平均価格で過去最高値を更新しました。その後、価格は落ち着きを見せていましたが、2014年には急激な下落に見舞われ、その状況は2016年まで続きました。
この当時、世界は石油の供給過剰が拡大し続けており、それは原油価格の下落が近づいていることを示唆していました。しかし、期待されていた経済成長は実現せず、市場には石油が過剰に供給される状態となりました。
この価格崩壊には、いくつかの要因が複合的に影響していました。
- 米国におけるシェールオイル生産の急増: 生産技術の向上により、採算ラインが大幅に低下したことで、米国のシェールオイルは国際石油市場において非常に高い競争力を持つようになりました。
- 原油需要の低迷: 米国におけるシェールオイル生産の急増は、原油需要の伸び悩みと同時期に発生し、価格にさらなる下押し圧力をかけました。これは主に、2015年から2016年の間に、米国、中国、非石油一次産品を輸出する新興国などの石油輸入国で景気減速が見られたことが原因です。
- 価格予測の下方修正: 長期的な価格予測は、過去数年にわたって継続的に下方修正されており、さらなる価格に対する悲観的な見方を広げました。その背景には、シェールオイル生産のさらなる増加の可能性、燃費効率の高い技術の普及の加速、そして再生可能エネルギーを支援する政策などが挙げられます。
2020年から2022年
2020年から2022年にかけて、原油価格(平均)は1バレルあたり41.96米ドルから100.93米ドルへと上昇しました[9]。2020年には、産油国間の対立激化と、新型コロナウイルスによる消費者需要の落ち込みが重なり、かつてない原油価格の低迷を招きました。この影響で、石油生産設備への投資が滞りました。
しかしその後、石油需要が急速に回復する中で、ロックダウンによるサプライチェーンの混乱、ロシア・ウクライナ戦争、そして厳しい冬による石油需要の増加といった複数の要因が重なり、供給制約が顕在化しました。これらの要因が複合的に作用し、その後の2年間で原油価格は急騰しました。
ブレント原油価格の予測
2023年12月当時、アナリストは2024年の原油価格回復に対して慎重な姿勢を示していました。これは、OPECによる計画的な減産があるにもかかわらず、非OPEC諸国の供給の底堅さや、予想を下回る消費者需要によってその影響が相殺されると見込まれているためです。30人のアナリストを対象とした調査に基づくと、2024年の原油価格は1バレルあたりおよそ84.43米ドルになる[10]と予想されていましたが、実際にはこの予想をわずかに下回りました。
2024年のブレント原油価格は、地政学リスク、OPECプラスの生産政策、世界経済の動向、主要国の金融政策、エネルギー需要の見通しなど、さまざまな要因によって変動しました。特に、中東情勢の不安定化は価格上昇の要因となる一方、中国経済の減速懸念などは価格を下押しする要因となりました。
今後、さらなる不安定要因が存在する可能性があります。現在も続くガザ地区の危機により、中東における戦争の脅威が高まっています。これは原油供給を深刻に混乱させ、原油価格を押し上げる可能性があり、世界経済の回復にさらなる衝撃を与え、新たな高インフレのサイクルを引き起こす可能性があります[11]。
2025年のブレント原油価格は、下押し圧力と上昇要因が混在し、非常に不確実な状況と言えます。多くの機関が年間平均価格を2024年よりも低い水準で予測していますが、アメリカの動向や地政学リスクの動向次第では大きく変動する可能性もあります。
ブレント原油価格に影響を与える要因 [12, 13]
ブレント原油の価格は需給の水準、マクロ経済要因、そして地政学的な問題によって影響を受けます。
需給の水準
原油の需要が増加したり供給が減少したりすると、ブレント原油価格が上昇し、その逆もまた同様です。しかし、原油取引の大部分は先物市場で行われるため、多くの場合、単純な需給関係だけでは説明できないこともあります。
先物市場では、原油は先物契約を通じて取引されます。先物契約とは、将来の特定の期日に、あらかじめ決められた価格で1バレル単位の原油を購入する権利を与える契約です。先物契約に基づき、買い手と売り手は、指定された期日にそれぞれの取引義務を履行する義務を負います。
この仕組みは、需給と価格の関係が一般的に予想されるものとは異なる(そして多くの場合異なる)可能性があることを意味します。たとえば、2020年初頭、世界中の石油生産者は価格を安定させるために過去最大規模の生産削減に合意しましたが、その効果は限定的でした。新型コロナウイルスによる景気減速によって、原油価格は20年ぶりの安値まで下落しました。
原油価格は市場心理にも敏感であり、この点も先物契約の仕組みによってさらに強調されます。原油価格が上昇すると考えられる場合、トレーダーや投機家が高値で先物契約を買いに走ることで、価格が急激に上昇する可能性があります。
従って、需給はブレント原油価格の基本的な推進力であり続ける一方で、通常の需給関係が当てはまらない場合もあることに留意する必要があります。
マクロ経済要因と地政学的問題
原油の副産物は広く普及しており、原油が世界経済と深く結びついていることを考慮すると、ブレント原油価格がマクロ経済要因と地政学的問題から大きな影響を受けるのは自然なことです。
単純化しすぎているかもしれませんが、経済成長が原油需要を押し上げるのと同様に、原油は世界経済の成長を支える役割を果たしており、両者は相互に不可欠な関係にあると言えるでしょう。
さらに、地政学的問題は原油価格に大きな影響を与える可能性があります。例えば、以下のような事象が挙げられます。
- 産油国または産油地域との戦争: 近年では、ロシアのウクライナ侵攻がその一例です。この侵攻に対し、国際社会は経済制裁を発動しました。ロシアは世界第3位の産油国であるため、供給量の減少を見込んだ動きから、原油価格は一時的に急騰しました。
- カルテルの行動: 石油輸出国機構(OPEC)は、世界の石油生産量の40%を共同で管理する13の産油国からなるグループです。OPECは石油価格の最大の決定要因として広く認識されており、市場をコントロールするために生産量を増減させることがあります。
- 政府の政策: 産業界による石油・ガス使用量の削減を義務付けるグリーンイニシアチブは、原油需要を抑制する可能性があります。これに対し、原油生産者は供給量を削減する可能性があり、冬季などの需要が高まる時期には価格の上昇を招くことがあります。
ブレント原油取引の種類
ブレント原油の取引は、その大部分が先物市場で行われています。しかし、先物取引は仕組みが複雑でリスクも高いため、市場の参加者は経験が豊富な投資家に限られる場合があります。
原油市場での取引に関心があるものの、経験の浅い個人投資家にとっては、ETF(上場投資信託)、株式、CFD(差金決済取引)といった、よりシンプルな金融商品を利用することが有効かもしれません。
原油ETF(上場投資信託)[14]
原油ETFは、原油市場に関連する株式、指数、その他の金融商品をまとめたポートフォリオの動きに連動する投資信託です。一般的に、原油や石油製品の探鉱・採掘、生産、輸送、小売といった、原油産業のさまざまな段階に関わる企業を投資対象としています。
また、コモディティプールの中にはETFとして組成され、株式の代わりに有限責任組合の持分を保有するものもあり、これらのETFは、原油先物や原油オプションなどのデリバティブ(金融派生商品)に投資します。
投資家は取引戦略の一環として原油ETFを売買・保有し、市場の動きから利益を得られる可能性があります。
原油ETFは複数の資産に分散投資するため、市場全体への幅広い投資機会を提供し、一般的に長期投資に向いています。短期的な値動きを利用した積極的な取引を考えているトレーダーにとっては、原油CFDの方がより適しているかもしれません。
原油・エネルギー関連株
原油のサプライチェーンに関わる特定の企業への投資に関心があるトレーダー・投資家は、原油・エネルギー関連株を取引しています。原油ETFと同様に、原油の探査から採掘、精製、輸送に至るまで、あらゆる段階の多様な企業や団体から投資先を選べます。
さらに、石油化学製品やプラスチックといった副産物に関連するセクターにも投資の機会が存在する可能性があり、これらの分野も投資家にとって検討する価値があるかもしれません。
原油・エネルギー関連株取引のデメリットの一つは、個々の企業の株式を購入し、保有する必要がある点です。これには、まとまった資金が必要となる場合があります。より少ない資金で取引できる代替手段として、多くのトレーダーは原油CFDを検討しています。
原油CFD(差金決済取引)
原油価格は本質的に変動が大きいため、短期的な取引戦略を好む投資家やトレーダーにとって魅力的な商品です。原油市場の取引をする方法の一つに、CFD(差金決済取引)があります。CFDは、取引開始時と終了時の原油価格の差額に基づいて取引を行う金融商品です。
つまり、原油CFDを利用することで、現物のブレント原油を実際に保有することなく、ご自身の希望する期間でブレント原油の価格変動を利用した取引が可能です。
ブレント原油の取引方法
以下の手順でブレント原油の取引を始めることができます。
ブレント原油の取引を始める
1. リアル口座を開設する
まず、ヴァンテージの取引口座にご登録ください。ブレント原油のCFD取引を行うには、リアル口座を開設いただく必要があります。
画面の指示に従って取引口座をお申し込みください。口座が開設され、承認が完了しましたら、資金をご入金いただくことで、ブレント原油の取引を開始できます。
2. 取引するブレント原油CFDを決定する
ヴァンテージでは、以下の2種類のブレント原油CFDをお取引いただけます。
- ブレント原油(キャッシュ)CFD:ブレント原油のスポット価格にリアルタイムで連動して取引できます。
- ブレント原油先物CFD:ブレント原油先物市場の値動きを利用して取引したい場合は、こちらのCFDをお選びください。
ただし、原油先物は仕組みがやや複雑なため、初心者の方には難しい場合もあります。経験豊富なトレーダーの方であっても、十分にご注意の上お取引ください。
3. ブレント原油市場の調査と分析をする
市場の動向を把握することなく、取引で成功を収めることは困難です。ブレント原油市場の特性や構造を理解するためには、徹底的なリサーチと分析が不可欠となります。
市場の分析は、原油CFD取引を行う上で、より多くの情報に基づいた意思決定を可能にし、取引成果の向上につながる可能性があります。
4. ブレント原油の取引戦略を立てる
ブレント原油市場に関する理解を深め、ご自身の取引スタイルやリスク許容度をより明確に把握できた段階で、取引戦略を立てることが重要です。これにより、投資判断の効率化を図り、ブレント原油市場における投資機会を特定し、集中的に取引に取り組むことができます。
ファンダメンタル分析を用いたブレント原油取引 [15,16]
ファンダメンタル分析とは、資産を取り巻く関連要因を調査することで資産を分析する手法です。ブレント原油のようなコモディティの場合、ファンダメンタル分析では、原油の生産と価格に影響を与えるマクロ経済および地政学的な動向を把握し続けることが重要になります。
最近の例として、2023年10月7日にハマスの武装勢力がイスラエルを攻撃したことにより、中東で緊張が高まりました。この出来事は、原油供給の減少への懸念を引き起こし、その結果、価格が上昇しました。翌月曜日、ブレント原油は取引開始時の1バレルあたり86.42ドルから5.5%上昇し、88.95ドルとなりました。
注目すべきは、この価格急騰が、戦闘当事国のどちらも主要な産油国ではなかったにもかかわらず起こったことです。イスラエルは2つの製油所を所有していますが、その推定生産能力は1日あたり300バレルです。紛争によって原油供給が直接的に脅かされたわけではありませんでしたが、米国、イラン、およびその他の中東の主要国が紛争に巻き込まれ、状況が変わるのではないかという懸念がありました。
ブレント原油市場は、主要経済圏の経済ニュースに反応する傾向があります。2023年初頭には、米国のシリコンバレー銀行が長期にわたる高金利の影響で破綻した際、ブレント原油は5%急落し、2か月ぶりに1バレルあたり80ドルを下回りました。同銀行の破綻は、米国経済の健全性に対する懸念を深め、さらなる金融引き締めや不利な経済政策の変更への懸念を引き起こしました。このセンチメントの低下が、ブレント原油の価格下落を引き起こしたと分析されています。
これらの事例は、原油価格とマクロ経済および地政学的な出来事との密接な関係を示しており、原油取引におけるファンダメンタル分析の重要性を強調しています。
テクニカル分析を活用したブレント原油取引
テクニカル分析は、過去の価格チャートと各種指標を基に、将来の価格トレンドを予測する手法です。価格パターンを識別し、トレンドの継続性を見極めることを目的としています。
テクニカル分析を用いるトレーダーは、市場のノイズを排除し、価格変動のみに焦点を当てられる点を利点として挙げることが多く、「市場に関するあらゆる情報はすでに価格に織り込まれている」と考えるトレーダーもいます。
テクニカル指標は経験豊富なトレーダーにとっては有効なツールとなり得ますが、過去の価格データに基づいているため、リアクティブであり、時間が経ってからデータが有効になるという側面があります。テクニカル分析はさまざまな分析手法の一つであり、ファンダメンタル分析などと組み合わせて予測をすることが重要となります。
ここでは、一般的なテクニカル指標である3EMA(三重指数平滑移動平均線)とRSI(相対力指数)を用い、ブレント原油価格のテクニカル分析を行う方法を解説しています。
上記のスクリーンショットは、2023年8月から12月までのブレント原油価格の推移を示したものです。
価格チャートは、赤いローソク足と緑のローソク足で構成されています。その上には、緑色(20日)、黄色(50日)、赤色(200日)の線で示される3EMAが重ねて表示されています。
画面下部には、RSIが表示されています。以下では、これらの指標について順に解説していきます。
3EMA分析の例:ブレント原油取引
テクニカル分析において、移動平均は、ブレント原油の最新の平均取引価格を算出することで、価格変動のノイズを平滑化する役割を果たします。これにより、トレーダーは市場の主要なトレンドを把握しやすくなるだけでなく、潜在的なサポートラインやレジスタンスラインの水準を認識することも可能です。移動平均には、単純移動平均(SMA)と指数平滑移動平均(EMA)の2種類があり、EMAは直近の価格変動をより重視する特性を持ちます。
3EMA分析では、期間の異なる3本のEMA(一般的に20日、50日、200日)を用い、これらの線の位置関係やクロス(交差)によって、市場の強気または弱気のトレンドを判断します。
具体的には、短期EMAが長期EMAを下から上に突き抜ける動きは、強気トレンドの兆候と解釈されます。逆に、短期EMAが長期EMAを上から下に突き抜ける場合は、弱気トレンドの示唆となります。移動平均線を用いたトレンド分析は、短期と長期の2本の線だけでも有効ですが、3本目のより長期の移動平均線を追加することで、形成されつつあるトレンドの信頼性を高めることが期待できます。
上の図では、2023年11月には、短期の緑色のEMAが中長期の黄色と赤色のEMAの両方を上回る動きが確認できます。これは、当時、明確な弱気トレンドが進行していたことを示唆しています。
この弱気トレンドは、短期の緑色のEMAが再び上昇に転じ、黄色と赤色のEMAを下から上に抜き返すまで継続する可能性が高いと考えられます。
RSI指標の活用例:ブレント原油取引
RSI(相対力指数)は、株式や商品などの市場で、買われすぎや売られすぎの水準を判断するために広く用いられるテクニカル指標です。0から100の範囲で推移し、一般的に30を下回ると売られすぎ、70を超えると買われすぎの目安とされます。
RSIが30を下回る水準にある場合、市場は過度に売り込まれており、価格が本来の価値よりも低く評価されている可能性を示唆します。一方、RSIが70を超える水準にある場合は、市場が過熱気味で、価格が高すぎる可能性を示しています。
ブレント原油価格のチャート(上記チャート)をご覧ください。チャート下部に表示されているのがRSIです。紫色の線がRSIの推移、黄色の線がRSIの移動平均線を示しています。
特に、RSIの紫色の枠で囲まれた部分にご注目ください。左上の緑色の枠で示されているように、RSIが70を超える水準で長期間推移していたことが確認できます。
これは、直前の数週間ではRSIが一時的に70を超える程度であったのと比較すると、特異な動きと言えます。この状況は、当時のブレント原油が過熱気味に買われていた可能性を示唆しており、価格チャートが新たな高値圏で推移していたことからも裏付けられます。
RSIの分析からは、この時点での新規の買いポジションは慎重に避けるべきだったと考えられます。実際、その後まもなく、ブレント原油価格は1週間で以前の安値水準まで急速に下落しました。
ブレント原油取引におけるリスク管理の重要性
ブレント原油は、その取引の歴史において、価格の乱高下を繰り返してきたボラティリティの高い商品です。世界経済の動向や地政学的な要因と密接に関連しており、今後の価格変動を予測することは簡単ではありません。従って、原油関連商品を取引する際には、適切なリスク管理をすることが重要です。
適切な取引サイズを維持する
短期間での高収益はトレーダーにとって大きな魅力であり、より高いリターンを期待して大きな取引に走りやすい傾向も見られます。しかし、特にブレント原油のようなコモディティ取引においては、高いリターンを目指した大きなサイズの取引はリスクの高い行為であり、望ましくない結果を招く可能性があります。投資家は常に冷静な判断に基づき、自己資金に合った適切な取引サイズを維持することが不可欠です。
一般的に、1回の取引におけるリスク許容度は自己資本の1%から2%以内とし、口座残高の増加に伴い、その割合を徐々に引き下げていくことが推奨されています[17]。
レバレッジを適切に利用する
原油CFDは、ブレント原油を取引する上で広く利用されている手法の一つです。CFD取引の大きな特徴としてレバレッジを活用できる点が挙げられます。これにより、比較的少額の資金で取引を開始し、市場が有利な方向に推移した際には、より大きな収益機会を得ることが可能です。
しかし、市場が予期せぬ方向に変動した場合、損失も同様に拡大するリスクを伴い、その際に当初の投資額を上回る損失が発生する可能性もあります。
レバレッジは、少ない初期投資で原油市場の潜在的な収益機会を追求できるツールである一方、市場の動きによっては損失を増幅させることを理解しておく必要があります。そのため、レバレッジの利用は慎重に行い、十分な取引経験と許容できる損失範囲を明確にすることが重要です。
損切りと利益確定を設定する
損切り(ストップロス)と利益確定(テイクプロフィット)は一般的なリスク管理の手法として広く知られており、価格チャート上の設定された水準に到達した際、取引を自動的に決済します。
これらのツールを活用することで、損失を限定的に抑えるとともに、利益が反転して消失するリスクを回避し、適切なタイミングでの利益確定を実現することが可能となり、効果的なリスク管理につながります。
ブレント原油の取引戦略
ブレント原油のトレーダーとして経験を積み、スキルを磨くにつれて、取引戦略を立てることが重要になります。確立されたルールに基づいて取引を行うことは、取引の精度を高める上で不可欠です。
以下より、一般的に用いられるブレント原油の取引戦略を紹介します。
デイトレード
デイトレードは、数分から数時間という極めて短い時間軸で取引を行う手法です。一般的に、デイトレーダーがブレント原油などのポジションを翌日に持ち越すことは稀とされています。
その主な目的は、取引時間中に生じるブレント原油の価格変動を捉え、短期的な売買を繰り返すことで、わずかな値動きから利益を積み重ねることです。
また、デイトレーダーは取引効率を高めるためにレバレッジを活用することがありますが、レバレッジは収益性を高める一方で、損失を拡大させる可能性も伴うため、注意が必要です。
ポジション取引
デイトレードとは対照的に、ポジション取引はブレント原油市場において、数日から数週間、あるいはそれ以上の期間にわたりポジションを保有する取引戦略です。この戦略の主な目的は、市場の長期的な価格変動を捉え、有利な方向に価格が推移した際に利益を確保することにあります。
ポジション取引を行うトレーダーは、リスク管理と取引機会の多様化を図るため、買いポジションと売りポジションの両方を活用することがあります。この戦略は、現物取引はもとより、株式、株価指数、ETFといった多様なブレント原油関連金融商品にも適用可能です。
スイングトレード
スイングトレードは、数日から数週間程度の期間における価格変動を利用し、収益獲得を目指す取引戦略です。デイトレードと同様に、市場心理やマクロ経済に関するニュース、地政学的なイベントなどを分析し、ブレント原油価格の今後の動きを予測します。
ただし、取引のペースはデイトレードと比較して緩やかです。ブレント原油取引においては、より大きな価格変動を捉えることを目的とするため、ポジションを比較的長い期間保有することが一般的です。
トレンドフォロー戦略
トレンドフォロー、あるいはトレンドトレーディングは、相場の大きな流れやトレンドに乗って取引を行うという投資手法です。例えば、ブレント原油市場において明確な価格上昇トレンドが発生している場合、その流れに沿って買い(ロング)ポジションを選択します。逆に、下落トレンドが確認されれば、売り(ショート)ポジションを選択します。
トレンドフォロー戦略では、価格のトレンドを正確に把握するスキルが求められます。トレンドがどの程度の期間継続する可能性が高いのか、そして、そのトレンドがいつ終わるのかを的確に認識することが不可欠となります。
トレンドトレーダーは、チャート上に表示されるさまざまなテクニカル指標を活用し、トレンドの勢いや方向性を分析します。
センチメント取引
センチメント取引は、ブレント原油価格に対する市場心理に着目した取引戦略です。強気の見通しが広がり、価格上昇が意識される局面では、センチメントトレーダーは買いポジションを選択し、弱気な見方が台頭した場合には、売りポジションを選択することがあります。
ただし、ブレント原油市場は価格変動が大きいため、センチメント(市場心理)を正確に捉えることは容易ではありません。トレーダーは市場のノイズを極力排除し、本質的なセンチメントを読み解く努力が求められます。
ニュース取引
ニュース取引は、センチメント分析と同様に、重要な経済指標の発表や政治イベント、企業の決算報告といったニュースイベントの公表直後に取引を行う手法です。ブレント原油関連企業の決算から、選挙結果のような政治動向、さらにはインフレ率や雇用統計といった経済指標まで、幅広い情報が取引の対象となります。
ブレント原油取引時間
ブレント原油の取引時間は、選択する金融商品によって異なります。ブレント先物の取引時間は、その先物が取引される取引所の取引時間に準じます。一方、CFD、株式、ETFなどの金融商品は、利用するオンライン証券会社によって取引可能な時間が異なります。
インターコンチネンタル取引所(ICE)におけるブレント原油先物の取引時間 [18]
都市 | 取引時間(現地時間) | プレオープン |
ニューヨーク | 午後8時~翌午後6時 | 午後7時45分 |
ロンドン | 午前1時~翌午後11時 | 午前0時45分 |
シンガポール | 午前9時~翌午前7時 | 午前8時45分 |
日曜日については、プレオープンはロンドン時間午前10時、取引開始は午前11時以降となります。
ブレント原油CFD
ヴァンテージでは、ブレント原油CFDを以下の時間で取引できます。
銘柄 | シンボル | 取引時間 (GMT+2) |
ブレント原油(キャッシュ) | UKOUSD | 月曜日: 01:00-24:00火曜日~金曜日: 03:00-24:00 |
ブレント原油先物 | UKOUSDft | 月曜日: 01:00-24:00火曜日~金曜日: 00:00-01:00、03:00-24:00 |
ブレント原油取引:変動性と取引機会
国際的な原油取引の指標となるブレント原油は、活発な取引が行われる主要なコモディティの一つであり、トレーダーや投資家に多くの取引機会を提供しています。また、その価格は地政学的な情勢、マクロ経済の動向、そして市場のニュースによって大きく左右されるため、市場の変動性は非常に高いと言えます。
特に、ブレント原油取引の大部分が先物取引を通じて行われていることが、この変動性をさらに高める一つの要因です。市場参加者は先物契約を参照することが多く、それが市場心理の変化やトレンドの変動を増幅させる場合があるため注意が必要です。
先物やオプションといった高度な金融派生商品を用いたブレント原油取引は、市場の価格変動への対応に慣れていない初心者の投資家にとってはリスクが高い可能性があります。初心者の投資家にとっては、ブレント原油のサプライチェーンに関わる企業のETF(上場投資信託)や株式への投資の方が、より取り組みやすい選択肢となるでしょう。また、比較的長い期間ポジションを持つことも有効な戦略と言えます。
ヴァンテージでブレント原油CFD取引を始める:狭いスプレッド&低コスト
ヴァンテージでは、ブレント原油のCFD取引をわずか0.0からの狭いスプレッドで提供しており、取引コストを大幅に削減できます。入金手数料や月々のロールオーバー手数料、その他の隠れた費用は一切発生しません。
取引プラットフォームは、MT4、MT5、そしてヴァンテージアプリからお選びいただけます。いずれのプラットフォームも、最新の市場動向に迅速に対応し、外出先でも本格的な取引が可能な高機能を搭載しています。ロング(買い)とショート(売り)両方の取引戦略を活用することで、市場の変動に関わらず収益機会を追求でき、多様なツールによってリスク管理も柔軟に行えます。
ヴァンテージなら、最短3分でリアル口座を開設して、ブレント原油のCFD取引をすぐに始められます。無料のデモ口座も利用可能であり、自己資金を投入する前に、さまざまな取引戦略やテクニックを試すことができます。
また、入金ボーナス*をはじめとしたさまざまなキャンペーンもご利用いただけます。*詳しくは利用規約をご覧ください。
よくある質問
Q1. ヴァンテージのブレント原油取引におけるスプレッドはどのくらいですか?
ヴァンテージでは、ブレント原油CFDにおいて、最小0.0からの狭いスプレッドで取引いただけます。ヴァンテージで、取引コストを抑えたCFD取引をご検討ください。
Q2. ブレント原油取引のリスクは何ですか?
ブレント原油価格は変動性が高く、これは投資家やトレーダーにとって主要なリスク要因となります。世界の主要商品である原油の指標となるブレント原油は、ニュースや地政学的動向など、さまざまな要因によって影響を受ける可能性があります。過去の価格推移を見ても、ブレント原油は急激な価格変動を繰り返しています。
ブレント原油の取引を行うにあたっては、適切なリスク管理が不可欠です。投資家は、市場調査や分析に十分な時間と労力を費やすとともに、常に価格変動が起こる可能性を認識しておく必要があります。
Q3. ブレント原油がWTI原油よりも価格が高いのはなぜですか?
ブレント原油とWTI原油は、硫黄分が少なく比重が小さいという類似した特性を持つため、通常、価格は連動して変動します。しかし、原油の産出地域、輸送方法、取引が行われる市場などが異なるため、一時的に価格差が生じ、ブレント原油またはWTI原油のいずれかが他方よりも高くなることがあります。
そのため、ブレント原油が常にWTI原油よりも高価であるとは限りません。過去には、WTI原油の方が高値で取引された時期もあります。重要な点として、ブレント・WTIの両原油は、それぞれの産出地域の地政学的な要因や経済情勢の変化に対し、異なる反応を示す可能性があることが挙げられます。
Q4. ブレント原油取引において、留意すべき点はありますか?
ブレント原油市場は、予測が難しいほど価格変動が大きくなることがあります。従って、取引を行う際には、重要な市場ニュースや動向を迅速に把握できる情報収集手段と、将来の取引機会に対応するための行動力が求められます。
そのため、取引環境においては、高速かつ安定した接続環境を備え、多様で高性能な取引ツールを提供するオンラインブローカーを選択することが重要になります。これにより、変動の激しいブレント原油市場において、より効率的な取引が可能になるでしょう。
Q5. ブレント原油とWTI原油の違いは何ですか?
ブレント原油とWTI原油の主な違いは、原油の採掘場所です。ブレント原油は、大西洋と北ヨーロッパに位置する北海油田から産出される、軽質で硫黄分の少ないスイート原油のブレンドを指します。一方、WTI原油は、アメリカ合衆国のテキサス州、ノースダコタ州、ルイジアナ州の油田で採掘されます。
この採掘場所の違いから、ブレント原油は「欧州原油」、WTI原油は「米国原油」とも呼ばれます。また、採掘地域の特性が異なるため、貯蔵、輸送、流通の方法にも違いがあります。
さらに、ブレント原油とWTI原油はどちらも軽質でスイート原油に分類されますが、密度と硫黄含有量にはわずかな差異があります。
詳しくはブレント原油とWTI原油の違いについてをご覧ください。
Q6. ブレント原油取引の練習はできますか?
はい、可能です。ブレント原油の取引に関心をお持ちのトレーダーや投資家、また、取引戦略の検証をご希望の方には、ヴァンテージの無料のデモ口座をご利用いただくことで、実際の取引さながらの環境で練習をしていただけます。デモ口座でのブレント原油取引の練習には、手数料や最低入金額は一切かかりません。
参照
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- “BrentTM the world’s crude benchmark – ICE”. https://www.ice.com/insights/market-pulse/brent-the-worlds-crude-benchmark . Accessed 5 April 2024.
- “The North Sea—A Long and Proud History – TheWayAhead”. https://jpt.spe.org/twa/the-north-sea-a-long-and-proud-history . Accessed 5 April 2024.
- “North Sea Brent Crude: Meaning, Investing, History – Investopedia”. https://www.investopedia.com/terms/n/northseabrentcrude.asp . Accessed 5 April 2024.
- “How Oil Prices Affect the Stock Market – Investopedia”. https://www.investopedia.com/ask/answers/030415/how-does-price-oil-affect-stock-market.asp . Accessed 5 April 2024.
- “Navigating Oil Price Risk – ICE”. https://www.ice.com/insights/market-pulse/navigating-oil-price-risk . Accessed 5 April 2024.
- “The 2008 Oil Price Shock: Markets or Mayhem? – Resources.org”. https://www.resources.org/common-resources/the-2008-oil-price-shock-markets-or-mayhem/ . Accessed 5 April 2024.
- “What triggered the oil price plunge of 2014-2016 and why it failed to deliver an economic impetus in eight charts – World Bank Blogs”. https://blogs.worldbank.org/en/developmenttalk/what-triggered-oil-price-plunge-2014-2016-and-why-it-failed-deliver-economic-impetus-eight-charts . Accessed 5 April 2024.
- “Average annual Brent crude oil price from 1976 to 2024 – Statista”. https://www.statista.com/statistics/262860/uk-brent-crude-oil-price-changes-since-1976/ . Accessed 7 April 2024.
- “POLL Economic risks to stifle oil’s gains in 2024 despite OPEC+ cuts – Reuters”. https://www.reuters.com/business/energy/economic-risks-stifle-oils-gains-2024-despite-opec-cuts-2023-11-29/ . Accessed 5 April 2024.
- “Oil Price Shock Would Hit 2024 Growth and Boost Inflation – FitchRatings”. https://www.fitchratings.com/research/sovereigns/oil-price-shock-would-hit-2024-growth-boost-inflation-10-11-2023 . Accessed 5 April 2024.
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- “Oil ETF: What It is, How it Works, and Challenges – Investopedia”. https://www.investopedia.com/terms/o/oil-etf.asp . Accessed 5 April 2024.
- “Brent climbs 5.5% amid Middle East tensions – Economies.com”. https://www.economies.com/commodities/brent-oil-news/brent-climbs-5.5-amid-middle-east-tensions-43493 . Accessed 5 April 2024.
- “Brent falls below $80 for the first time in two months following the collapse of Silicon Valley – Economies.com”. https://www.economies.com/commodities/brent-oil-news/brent-falls-below-$80-for-the-first-time-in-two-months-following-the-collapse-of-silicon-valley-42532 . Accessed 5 April 2024.
- “Risk Management Techniques for Active Traders – Investopedia”. https://www.investopedia.com/articles/trading/09/risk-management.asp . Accessed 5 April 2024.
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