CFD取引は、さまざまな資産に投資して金融市場に参加する方法の一つです。ここでは、CFDの概要、CFD取引の仕組み、そして具体的な取引方法について詳しく解説します。
キーポイント
- CFD取引(差金決済取引)は、トレーダーがさまざまな資産の価格変動を予測して取引を行う金融派生商品です。損益は、取引開始時と終了時の価格差によって決まります。
- CFD取引は、市場が上昇局面でも下降局面でも利益を狙える柔軟性があり、レバレッジを活用して市場へのエクスポージャーを高めることができます。また、原資産を実際に保有する必要がないという特徴もあります。
- CFD取引には、高い収益の可能性があることや幅広い市場へのアクセスが可能であることなどの利点がありますが、レバレッジによって損失が拡大するリスクや、取引コストが時間経過とともに大きくなる可能性があるなどの注意点もあります。
CFD取引の仕組みと魅力
CFD(差金決済取引)には、価格上昇と下落の両方から利益を得る可能性、レバレッジの活用、ヘッジ機能、そしてデリバティブを通じた幅広い市場へのアクセスといった利点があります。
ロング(買い)とショート(売り)取引
CFD取引は、売りから取引を開始できるため、上昇相場と下降相場のどちらでも利益を狙えるという柔軟性があります。ロングポジション(買い)を持つことで、トレーダーは資産価格の上昇を予想し、反対にショートポジション(売り)を持つことで、資産価格の下落から利益を得ることが可能になります。
この柔軟性により、投資家は強気市場と弱気市場の両方で取引を行い、さまざまな市場の状況に応じてチャンスを掴むことができます。
レバレッジ
CFD取引では、レバレッジを活用することで、少額の資金で大きな市場エクスポージャーを得ることができます。つまり、資金が限られている場合でも、より大きなポジションを管理でき、収益の可能性を高めることが可能です。
ただし、レバレッジは利益を増やす一方で、損失も拡大させる可能性があるため、慎重なリスク管理が不可欠です。
ヘッジ
CFDは、トレーダーがポートフォリオを潜在的な損失から守るためのヘッジツールとしても活用できます。既存のポジションとは反対のポジションを持つことで、ある投資の損失を別の投資の利益で相殺することができます。
例えば、価値が下がると予想される株式を保有している場合、それらの株式のCFDを空売りすることで、CFD取引の利益によって損失を補填することができます。
デリバティブ(金融派生商品)
CFDはデリバティブ(金融派生商品)の一種であり、その価格は原資産(株価指数、商品、通貨など)の価値に連動して変動します。
CFD取引の大きな特徴は、現物の資産を実際に保有する必要がないことです。
例えば、株のCFD取引では、株そのものを購入するのではなく、株価の変動に応じた差額を受け取る(または支払う)ことになります。
そのため、実際の資産の受け渡しが不要となり、取引プロセスが簡略化されます。
この特徴により、CFD取引では、株価指数、商品、通貨など、幅広い市場へのアクセスが可能になります。
CFD取引の主なコスト
スプレッド
CFD取引において、スプレッドは買値(Ask)と売値(Bid)の差額を指します[1]。これは、トレーダーが取引を開始する際に支払う実質的なコストとなります。スプレッドは、市場の流動性、ボラティリティ、取引量などさまざまな要因によって変動します。一般的に、流動性が高く、取引量が多い銘柄ほどスプレッドは狭くなる傾向があります。
ヴァンテージでは0.0 pips からの業界屈指のスプレッドの狭さで、取引コストを最小限に抑えながら、さまざまなCFD銘柄を取引できます。
取引手数料
通常、CFD取引ではスプレッド(売値と買値の差)が取引コストとなります。ただし、例外として株式CFDの場合、売値と買値が原資産市場の価格と一致することがあり、この場合、取引手数料が発生します。
手数料率はブローカー・証券会社によって異なりますが、平均的には約0.1%程度です。
スワップレート
CFD取引において、スワップレートは非常に重要な役割を果たします。スワップレートとは、オーバーナイトポジション、つまり日をまたいで保有するポジションに対して適用される金利のことです。
取引日の終了時間を超えて通貨ペアの取引を持ち越した場合、スワップレートによってコスト(支払い)が発生するのか、利益(受け取り)が発生するのかが決まります。
スワップレートは、基本的に2つの通貨間の金利差に基づいて計算されます。例えば、金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売る場合、通常はスワップポイントを受け取ることができます。逆に、金利の高い通貨を売り、金利の低い通貨を買う場合は、スワップポイントを支払う必要があります。
ただし、スワップレートは固定ではなく、市場の状況によって変動します。そのため、取引を行う際には、常に最新のスワップレートを確認することが重要です。
CFDで取引できる代表的な銘柄
CFD(差金決済取引)は、トレーダーや投資家が原資産を所有することなく、価格変動から利益を得ることができるデリバティブ取引の一種です。
この取引形態は非常に汎用性が高く、さまざまな市場で利用できます。トレーダーは市場価格の上昇と下降の両方に基づいてポジションを取ることができ、市場の成長を見込んで買う(ロング)ことも、市場の下落を見込んで売る(ショート)ことも可能です。
主な種類は次の通りです。
ドル/円、ユーロ/ドルなどの通貨ペアの価格変動を利用して取引できます。通貨を実際に保有する必要はありません。
金、銀、コーヒー、原油・天然ガスなど、さまざまなコモディティの価格変動を予測して取引できます。現物を保有する必要はありません。
国内外の株式の価格変動を利用して取引できます。個別株だけでなく、株価指数を対象としたCFDもあります。
日経平均株価、NYダウ平均などの株価指数の変動を利用して取引できます。市場全体の動きを捉えるのに適しています。
- 先物CFD
原油先物、金先物などの先物取引を対象としたCFDです。実際に先物契約を保有する必要はありません。
この他にも、ヴァンテージでは、債券CFDや暗号資産CFDを取引をすることもできます。
これらのCFD取引は、証拠金と呼ばれる資金を預けることで、実際の取引額よりも少ない資金で取引できるのが特徴です。ただし、レバレッジをかけることで損失も大きくなる可能性があるため、注意が必要です。
CFD取引を始める
ここでは、CFD取引を始めるための具体的なステップを解説します。
1. 取引口座を開設する
はじめに、ご希望のブローカーで取引口座を開設します。ブローカーのウェブサイトに記載されている手順に従うことで、数分で取引を開始できます。
ほとんどのブローカーは、口座開設者の本人確認のため、身分証明書と住所証明書の提出を求めます。確認が完了すると、取引口座のすべての機能にアクセスできるようになります。
2. 取引口座に資金を入金する
口座開設が完了したら、取引に必要な資金を入金します。入金方法はブローカーによって異なりますが、一般的にはクレジットカード、デビットカード、銀行振込などが利用できます。
多くのブローカーでは、デモ口座も提供しています。デモ口座では、実際のお金を使わずに取引の練習ができるため、初心者の方におすすめです。
3. 取引戦略・計画を立てる
取引戦略を立てることは、CFD取引で成功するための鍵となります。 なぜなら、取引戦略は以下の要素を明確にするのに役立つからです。
- 取引期間: 短期、中期、長期のいずれの取引スタイルが自分に合っているのか。
- リスク許容度: どれくらいの損失なら許容できるのか。
- レバレッジ: レバレッジをかける場合、どれくらいの資金が必要なのか。
- 取引銘柄: どの銘柄に焦点を当てて取引するのか。
取引計画は、計画的な意思決定を促し、資金を守るために不可欠です。 計画があれば、目標とする収益、許容できる損失額、そして資金を守るためのリスク軽減策について、より適切な判断を下せるようになります。
4. CFD取引プラットフォームをダウンロードする
取引口座への入金が完了したら、CFD取引プラットフォームをダウンロードしましょう。
取引プラットフォームは、取引の実行、市場データの分析、ポートフォリオ管理など、CFD取引を行う上で欠かせないツールです。多くのブローカーは、パソコン、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスに対応したプラットフォームを提供しており、場所や時間を選ばずに取引ができます。
プラットフォームによっては、取引戦略の策定に役立つ教育リソースや、情報に基づいた意思決定をサポートする分析ツールなども提供されています。
代表的なプラットフォームとしては、MetaTrader 4(MT4)やMetaTrader 5(MT5)が挙げられます。 また、ヴァンテージアプリを利用することで、スマートフォンで手軽にCFD取引ができます。
ご自身の取引スタイルや利用環境に合わせて、最適なプラットフォームを選ぶことが重要です。
5. ポジションを開き、状況を確認する
取引する市場を選んだら、次は「買い(ロング)」と「売り(ショート)」のどちらのポジションを持つかを決めます。CFD取引では、どちらのオプションも選ぶことができます。
ポジションを確認する方法はいくつかあり、ブローカーによっては、以下の方法で通知を受け取ることができます。
- SMSメッセージ
- メールアラート
- プッシュ通知
また、取引プラットフォーム上で直接ポジションを確認することも可能です。
6. ポジションをクローズ・決済する
ポジションが有利な方向に動いた場合、「決済」ボタンを使って取引を終了し、利益を確定することができます。また、損失が出ている取引を「決済」ボタンで終了することで、損失を限定的に抑えることも可能です。買いポジションを決済するにはCFDを売り、売りポジションを決済するにはCFDを購入します。
損失が発生した場合、ブローカーはトレーダーの収益または資本から手数料を差し引きます。
ヴァンテージでCFD取引を始める
CFD取引は、ポートフォリオのヘッジや、限られた資金で取引を始めたい現代のトレーダーにとって魅力的な選択肢です。CFD取引では、変動の激しい市場でもレバレッジを効かせて取引でき、手数料も最小限に抑えられます。さらに、外国為替ペアを含む幅広い資産クラスで取引が可能です。
価格の変動を予測し、戦略に応じてロング(買い)またはショート(売り)のポジションを持つことで、さまざまな市場でCFD取引を行うことができます。ただし、市場リスクとレバレッジの潜在的なリスクには注意が必要です。レバレッジを誤って使用すると、初期資金を超える損失を被る可能性もあります。そのため、市場を深く理解し、リスクを軽減しながら収益を最大化するための適切な取引戦略を立てることが非常に重要です。
ヴァンテージでは、FXや株式をはじめ、幅広い市場のCFD取引に対応しており、デモ口座とリアル口座をご用意しております。
また、入金ボーナス等さまざまなキャンペーンもご利用いただけます。
CFD取引は、経験と知識が必要な金融派生商品です。CFD取引についてしっかりと学び、自分の投資計画に合った取引を行うことが重要です。
CFD取引についてよくある質問 (FAQ)
CFDとはどういう意味ですか?
CFDは差金決済取引の略で、トレーダーが原資産を所有することなく、株式、指数、商品、通貨などの金融市場の価格変動を予測して取引できる金融派生商品です。
CFD取引は、トレーダーとブローカーの間で、契約開始時と終了時の資産価値の差額をやり取りする契約です。
CFD取引は初心者にも適していますか?
CFD取引は初心者にも適していますが、市場とそれに伴うリスクをしっかりと理解する必要があります。初心者は、まずデモ口座で金銭的なリスクなしに経験を積み、時間をかけてCFD取引について学ぶことが重要です。
さらに、ヴァンテージアカデミーやメディアなどの教育リソースを利用したり、慎重に取引戦略を学ぶことで、初心者でも徐々に理解し、取引スキルを身につけることができます。初心者、これから始めようとお考えの方は、CFD取引を始める前に、学習し、リスク許容度を考慮することが重要です。
CFD取引は株式投資よりも優れていますか?
CFD取引が株式投資よりも優れているかどうかは、トレーダーの目的、リスク許容度、取引戦略によって異なります。
CFD取引は、レバレッジ、売り(ショート)と買い(ロング)の両方の取引ができること、そして多様な市場へのアクセスといった利点があり、これらが有利に働く可能性があります。しかし、CFD取引はレバレッジをかけることができるため、より高いリスクも伴います。
CFD取引を始めるにはいくら必要ですか?
ヴァンテージなどのブローカーでは、少額の資金で取引を始められる口座を提供しています。
例えば、ヴァンテージのリアル口座では、最低50ドルの入金で取引を開始できます。しかし、CFD取引に必要な金額は、取引する商品、レバレッジ、リスク許容度などによって異なります。
CFD取引と外国為替(FX)取引の違いは何ですか?
CFD取引と外国為替(FX)取引はどちらも、価格変動への投機とレバレッジの利用が特徴です。主な違いは、取引できる資産の種類です。CFDは株式、指数、商品など幅広い資産を対象とする一方、外国為替取引は通貨ペアに特化しています。
参照
- “Spreads in Finance: The Multiple Meanings in Trading Explained – Investopedia” https://www.investopedia.com/terms/s/spread.asp Accessed 10 April 2024