AI(人工知能)は、私たちの生活を劇的に変えつつあり、その影響力はますます拡大しています。
このデジタル革命の中で、投資家にとって見逃せないのがAI関連株です。世界中の企業がAI技術の開発や応用に力を入れており、新たなビジネスモデルも創出されているため、AI関連株は大きな成長ポテンシャルを秘めています。
この記事では、AI分野に注目が集まる今、特に投資家から注目を集めているAI関連株・銘柄を5つご紹介します。これらの企業は、革新的なAI技術を開発し、さまざまな産業にインパクトを与えています。
AI投資に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
AI関連株とは
AI関連株とは、人工知能(AI)という最先端のテクノロジーを核に、ビジネスを展開している企業の株式のことです。
これらの企業は、AIのアルゴリズムを設計したり、AIを活用した革新的な製品やサービスを生み出したり、既存のサービスをAIでさらに高品質なものにするなど、さまざまな形でAIに関わっています。
AIは、私たちの生活や社会を大きく変える可能性を秘めており、その重要性はますます高まっています。そのため、AI関連株は、将来的な成長が期待できる投資対象銘柄として注目を集めています。
しかし、他の株式と同様に、AI関連株・銘柄の株価は、市場全体の動向や各企業の業績、そしてAI技術を取り巻く環境の変化など、さまざまな要因によって変動します。
AIの現状:急速に成長するテクノロジー
AI(人工知能)は、コンピューターに人間のような学習能力を持たせ、さまざまな問題を解決できるようにする技術です。その歴史は古く、60年以上前から研究されてきましたが、近年、特に注目を集めています。
PwCの報告書によると、AIは2030年までに世界経済を15.7兆ドルも押し上げるという予測があり、その影響力は計り知れません[1]。この成長は、企業の生産性向上だけでなく、私たちの生活をより豊かにする新たなサービスや製品を生み出すことにも繋がると期待されています[2]。
AIは、すでに私たちの生活のさまざまな場面で活用されており、今後もその導入は加速していくと予想されます。しかし、多くの業界においてAIの活用はまだ始まったばかりであり、大きな成長ポテンシャルを秘めています。
企業はAI技術をどのように活用しているか?
AI技術は、現代のビジネスにおいて不可欠な存在となっています。企業は、AIを導入することで、業務の効率化や顧客満足度の向上など、さまざまなメリットを得ることができます。
1. カスタマーエクスペリエンスの向上
AIを活用したチャットボットやバーチャルアシスタントは、顧客からの問い合わせに迅速かつ正確に対応することで、顧客満足度を大幅に高めます。これらのAIツールは、よくある質問への回答や、複雑な手続きの案内など、幅広い業務をこなすことができます。
例えば、銀行では、ウェブサイトやモバイルアプリ上で、AIチャットボットが口座に関する質問や手続きの案内をリアルタイムで対応しています。これにより、顧客はいつでもどこでも必要な情報を得ることができ、満足度が向上します。
2. データ分析と意思決定
AIは、膨大なデータを短時間で分析し、隠されたパターンやトレンドを可視化します。この分析結果に基づき、企業はより的確な意思決定を行い、ビジネスを最適化することができます。
例えば、小売業では、AIが過去の販売データや顧客の購買履歴を分析し、次のシーズンに売れる商品を予測します。これにより、在庫管理の効率化やパーソナライズされたマーケティング、キャンペーン等の実現が可能になります。
3. 業務の自動化と効率化
AIによる自動化は、反復的な作業を効率化し、人的ミスを減らすことにつながります。これにより、従業員はより創造的な仕事に集中できるようになり、企業全体の生産性が向上します。
例えば、製造業では、AIを搭載したロボットが、製品の組み立てや検査、梱包などの作業を自動で行っています。これにより、生産効率が向上し、高品質な製品を安定的に供給できるようになります。
米国で注目すべきAI関連株ベスト5
米国で今最も注目されているAI関連株を5つご紹介します。これらの企業は、AI技術の開発や応用において世界をリードしており、今後の成長が期待されています。
エヌビディア(NASDAQ:NVDA)
米国のハイテク企業のリーダー、エヌビディアは、GPU(画像処理装置)とAI技術の分野で世界を牽引しています。 ゲーム業界における圧倒的な地位を確立し、データセンターや自動運転車など、AIが活用されるさまざまな分野へ積極的に事業を拡大しています。
2024年第1四半期には、エヌビディアは目覚ましい成長を遂げました[3]。
- 売上高は260億ドルに達し、前四半期比18%増、前年同期比262%の大幅増 という結果となりました。この成長の原動力は、Hopperプラットフォームにおける生成AIの学習と推論に対する、堅調かつ高まる需要です。
- 特に、データセンター部門の売上高は226億ドルと過去最高を記録 し、前四半期比23%増、前年比427%増と大幅に伸長しました。
C3.ai Inc (NYSE: AI)
C3.aiは、エンタープライズAIソリューションの最前線に位置し、幅広い業界向けに拡張性とカスタマイズ性に優れたアプリケーションを提供しています。同社の強みは、AI駆動型アプリケーションの迅速な開発を促進するクラウドベースのプラットフォームにあり、デジタルトランスフォーメーションを求める企業にとって最適な選択肢となっています。
2024年第4四半期のC3.ai Inc.は好調な業績報告を記録しました[4]。
- 売上高は、前年同期比20%増の8,660万ドルを記録しました。
- サブスクリプション収入は、全収入の92%を占める7,990万ドルとなり、前年同期比41%増と大幅に増加しました。
これらの結果から、C3.aiはAI分野における高い成長性を示しており、今後も注目すべきAI関連株の一つと言えるでしょう。
シンボティック (NASDAQ:SYM)
シンボティックは、オートメーションとロボットソリューションの分野におけるトップランナーであり、先進的な倉庫自動化システムを開発・提供するグローバル企業です。AIを活用した独自のソフトウェアとハードウェアを組み合わせることで、サプライチェーンの効率化と持続可能性を両立させる革新的なソリューションを提供しています。
同社の強みは、小売業から製造業まで、幅広い業界のニーズに応えることができる汎用性の高いソリューションにあります。倉庫作業の自動化を通じて、企業は作業効率の向上、そしてスピードと柔軟性の高いサプライチェーンを実現することができます。
2024年第2四半期について、シンボティックは次のような決算報告を行いました[5]。
- 2024年3月30日締めの第2四半期のシンボティックの売上高は4億2400万ドルでした。
- シンボティックの現金および現金同等物は、前四半期から2億7,600万ドル増加し、四半期末には9億5,100万ドルに達しました。
これは、同社のソリューションに対する市場の需要の高まりを示しています。
アルファベット (NASDAQ:GOOGL)
Googleの親会社として知られるアルファベットは、私たちのデジタルライフを支える数々のサービスを提供するグローバルテクノロジー企業です。検索エンジンをはじめ、クラウドコンピューティング、そして近年注目のAI分野においても、積極的な投資と開発を行っています。
アルファベットのAIへの取り組みは多岐にわたります。自動運転車開発を行うウェイモは、AIを活用し、より安全で効率的な移動手段の実現を目指しています。また、子会社のベリリー・ライフ・サイエンシズは、膨大な医療データをAIで解析し、新たな治療法の発見に挑んでいます。
これらの取り組みは、単にテクノロジーの進化だけでなく、社会全体の課題解決にも貢献する可能性を秘めています。
アルファベット社は、2024年3月31日に終了した第1四半期の決算を以下のように発表しました[6]。
- アルファベットの売上高は805億3,900万ドルで、前年同期から15%増加しました。
- 特に、YouTube広告、Googleクラウド、トラフィック獲得コストが予想を上回る好調ぶりを見せ、それぞれ80億9000万ドル、95億7000万ドル、129億5000万ドルの利益を計上しました。
アルファベットは、AI技術の開発と応用において世界をリードする企業の一つです。その革新的な取り組みと堅調な業績から、AI関連株投資家にとって魅力的な存在となっています。
IBM (NYSE:IBM)
1世紀を超える歴史を持つテクノロジー業界の巨匠、IBMは、企業向けソリューション、クラウドコンピューティング、そして量子コンピューティングなど、多岐にわたる分野で革新的な技術を生み出してきました。常に変化し続けるテクノロジー業界において、IBMは時代に合わせて進化を遂げ、その地位を確立しています。
IBMの代表的なAIアシスタントである「ワトソン」は、ビジネスにおけるAI活用の可能性を大きく広げました。AIを最優先とする取り組みを通じて、IBMは企業が予測に基づいた洞察を得たり、業務を自動化したり、データに基づいた意思決定を下せるよう、ソリューションを革新し続けています。
以下はIBMの第1四半期決算です[7]。
- IBMの売上高は145億ドルで、前四半期から1%増加しました。
- ソフトウェア事業部門はより好調で、売上高は59億ドル(5.5%増)となりました。
まとめ
AIセクターへの投資は、その将来性を考えると非常に魅力的ですが、同時に高いリスクも伴います。しかし、AIがさまざまな産業に浸透し、その重要性が増す中、長期的な成長が期待できるという見方も根強くあります。
AI株への投資を検討される際は、以下の点にご注意ください。
- 市場調査の徹底: AIテクノロジーを取り巻く環境は日々変化しており、最新の動向を常に把握することが重要です。
- デモ口座での練習: 実金投資の前に、デモ口座で取引を経験し、市場の感覚をつかみましょう。
- リスク管理の徹底: 損失を最小限に抑えるためのリスク管理は不可欠です。
- 自身の判断で投資: 専門家の意見を参考にしながらも、最終的な投資判断はご自身で行いましょう。
AI関連企業の株、AI株のおすすめ、アメリカAI株など、さまざまな情報が日々発信されています。これらの情報を参考に、ご自身の投資目標とリスク許容度に合った投資戦略を立てることが大切です。
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参考
- “PwC’s Global Artificial Intelligence Study: Exploiting the AI Revolution – PWC”. https://www.pwc.com/gx/en/issues/data-and-analytics/publications/artificial-intelligence-study.html. Accessed 7 Sept 2023.
- “PwC’s Global Artificial Intelligence Study: Exploiting the AI Revolution – PWC”. https://www.pwc.com/gx/en/issues/data-and-analytics/publications/artificial-intelligence-study.html. Accessed 7 Sept 2023.
- “NVIDIA Announces Financial Results for First Quarter Fiscal 2025 – Nvidia”. https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-announces-financial-results-for-first-quarter-fiscal-2025. Accessed 10 July 2024.
- “C3 AI Announces Fiscal Fourth Quarter And Full Fiscal Year 2024 Financial Results – C3.Ai”. https://ir.c3.ai/news-releases/news-release-details/c3-ai-announces-fiscal-fourth-quarter-and-full-fiscal-year-2024. Accessed 10 July 2024.
- “Symbotic Reports Second Quarter Fiscal Year 2024 Results – Symbotic”. https://ir.symbotic.com/news-releases/news-release-details/symbotic-reports-second-quarter-fiscal-year-2024-results. Accessed 10 July 2024.
- “Alphabet shares jump 14% on earnings beat, first-ever dividend – CNBC”. https://www.cnbc.com/2024/04/25/alphabet-set-to-report-first-quarter-results-after-market-close.html. Accessed 10 July 2024.
- “IBM RELEASES FIRST-QUARTER RESULTS – IBM”. https://newsroom.ibm.com/2024-04-24-IBM-RELEASES-FIRST-QUARTER-RESULTS. Accessed 10 July 2024.